2008年2月4日月曜日

消費税の還付請求 未遂事件

この時期、すなわち、確定申告のことが気にかかってくる時期になると、脱税の事件が新聞紙上をにぎわし始めます。

たぶん、課税庁から、新聞各社にニュースの素材と掲載圧力がかかるのだと思います。課税庁は、読者に、「脱税は割りが合わない行為」であるというメーセッージを新聞社の社説という形に変えて、伝えるわけです。

さて、IT ベンチャー企業が、親族会社から、ソフトウエアを2000億円で仕入れたと主張して、その仕入れにかかった消費税の還付を求めたところ、税務署から拒否されたという新聞記事を読みました。

ITベンチャー企業は、この取引にかかる対価を支払っていないのでしょう。対価を支払っていなくても、仕入税額控除が取れるかという問題があります。

通達は、課税仕入れの時期を資産の譲り受けの日とすることを定めています。(消費税基本通達11-3-1)したがって、仕入対価を支払わなくても、資産の譲り受けが行われていれば仕入税額控除を受けることができます。
一方で、売り方は、消費税の納税額がこの取引に巨額なものになりますが、滞納していたようです。売り方と買い方の納税債権債務の履行を、「一方の履行を条件とする」といった規定はありません。
したがって、取引が真実に行われた場合には、一方で、滞納、他方で還付という現象が生じてしまいます。これを連帯納税義務を課すような形での解決も立法論としてはあるのでしょうね。

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