6月12日に行われた松永経営塾では、三菱東京UFJ銀行(以下MTUB)のかたをお招きして、融資業務での審査の実際を伺った。目的は、その実際を伺くことによって、借り手の方々に日頃から重要ポイントに留意しながら経営を行っていただくことにある。
MTUBでは、債務者を10ランクで区分しており、中小企業の場合のそのうち、4から10(数が小さいほど優良顧客)に区分している。そのうち、8,9,10ランクの方は、新規融資は行われないとのことである。
したがって、企業は、自社のランクを7以上に保つことが必要になる。
ちなみに、8は、要注意先、 9-要懸念先、10-破たん先とされている。
それでは、7と8以下を分ける基準は何かが問題となる。それは、次の定量的な基準がある。
1 経常赤字、最終赤字、繰越損失の有無、 2期連続赤字だと8以下
2.自己資本比率が10%以下か
3.債務超過か否か これは、時価ベースで、繰り延べ資産、入居保証金、土地等を評価して判断する
4.借入償還年数が10年+ー5年以内かどうか +ーは、その業種のスタンダードな資本収益率による調整を入れる
5.リスケ実施の有無
格付けアップにアドバイスとして、
1.留保利益はある程度あつく
2.無駄な借入をしない。
3.小まめに償却費を計上する
この経営塾のもよう(写真)は、私の事務所にHPに掲載されているのでそちらも見ていただければ幸いです。
2008年6月13日金曜日
2008年5月13日火曜日
2008年3月12日水曜日
2008年2月8日金曜日
顧問契約がカバーする範囲はどこまでか?
先週、あるお客様からクレームがよせられました。
事の顛末は以下のとおりです。
1.お客様の会社創設時から、私の事務所が記帳代行をすることになりました。契約料は、月2万円(その他 会計ソフトリース料 3000円)でした。
2.このお客様は、現在、第二事業年度の期中です。
3.この会社は、会社の創立時の資本金の払込は、創業者個人名義の銀行口座に振り込まれました。
3.創立後3か月ほどで、会社名義の銀行口座が開設され、資本金300万円ではなく、各種支払いが行われた後の残額(210万円)が振り込まれました。私の事務所では、資本金と振込金額との差額790000円を役員貸付金勘定の借方に記帳しました。
4.この月及び翌月に文書で、この処理の報告と、早急に同勘定の清算をするようにアドバイスしました。しかし、会社は、清算取引を1年経過した現在も行っていません。
5.1年経過した、昨年12月と今年1月にも、再度、この勘定の精算を行うように、文書でアドバイスしました。
6. 会社から、なんで教えてくれなかったのか? また、このような質の悪いアドバイス(この問題を指摘しなかったことを指す)しかよこさない事務所であれば(顧問契約を)切るというコメントをいただきました。
(私の考え)
もちろん、以下の述べる私の考えが、これが正しいと主張する気はありません。
1.まず、問題となった処理を行った月にかかる文書による指摘について、お客様がアクションをとらなかったこと、及び忘れていたことについては、私に落ち度はないのではないか。
2.お客様の期待するサービスの水準は、顧問契約に基づき、会計、税務マターについて、すべて正しく処理すべきであり、問題となりそうな点は、すべて事前に顧客にアドバイスするべきであるという、お客様の思いがある。
3.私の提供ができるサービスの水準は、顧問料2万円だと、1月当たりに換算すると1時間か2時間をこの顧客のために費やすのが限度であり、その時間内で、記帳、領収書類の整理、そして、監査、問題点の指摘をすべて行うことはできない。 これらの仕事のうち、経営問題点の発見は、かなりの部分アートであり、例えていえば、レオナルド・ダ・ビンチが、1時間でモナリザの絵を書けと、当時のパトロンに求められているようなものではないかとおもう。つまり、無理難題ではないだろうか?
(問題点)
とにかく、顧客の期待水準と顧問料でできるサービスの水準に、顧客の期待を裏切るGapが生じていたことになる。 このGapを埋めなければこの顧客は、早晩、契約解除を通告してくるだろう。
Feeの値上げができないという現状(お客は不満でクレームをつけている現状では値上げを言い出すのは困難)をしないという前提では、お客様の期待を実際に提供できるレベルにまで引き下げる努力を私のほうでしなければならないことになる。
それも、その引き下げが、私の能力不足ではなく、お客に過大な期待水準でよることの理解を得なければならない。
しかし、アドバイスの具体的な期待水準をどうやって決定し、それを納得していただくか、答えを持っているわけではない。
事の顛末は以下のとおりです。
1.お客様の会社創設時から、私の事務所が記帳代行をすることになりました。契約料は、月2万円(その他 会計ソフトリース料 3000円)でした。
2.このお客様は、現在、第二事業年度の期中です。
3.この会社は、会社の創立時の資本金の払込は、創業者個人名義の銀行口座に振り込まれました。
3.創立後3か月ほどで、会社名義の銀行口座が開設され、資本金300万円ではなく、各種支払いが行われた後の残額(210万円)が振り込まれました。私の事務所では、資本金と振込金額との差額790000円を役員貸付金勘定の借方に記帳しました。
4.この月及び翌月に文書で、この処理の報告と、早急に同勘定の清算をするようにアドバイスしました。しかし、会社は、清算取引を1年経過した現在も行っていません。
5.1年経過した、昨年12月と今年1月にも、再度、この勘定の精算を行うように、文書でアドバイスしました。
6. 会社から、なんで教えてくれなかったのか? また、このような質の悪いアドバイス(この問題を指摘しなかったことを指す)しかよこさない事務所であれば(顧問契約を)切るというコメントをいただきました。
(私の考え)
もちろん、以下の述べる私の考えが、これが正しいと主張する気はありません。
1.まず、問題となった処理を行った月にかかる文書による指摘について、お客様がアクションをとらなかったこと、及び忘れていたことについては、私に落ち度はないのではないか。
2.お客様の期待するサービスの水準は、顧問契約に基づき、会計、税務マターについて、すべて正しく処理すべきであり、問題となりそうな点は、すべて事前に顧客にアドバイスするべきであるという、お客様の思いがある。
3.私の提供ができるサービスの水準は、顧問料2万円だと、1月当たりに換算すると1時間か2時間をこの顧客のために費やすのが限度であり、その時間内で、記帳、領収書類の整理、そして、監査、問題点の指摘をすべて行うことはできない。 これらの仕事のうち、経営問題点の発見は、かなりの部分アートであり、例えていえば、レオナルド・ダ・ビンチが、1時間でモナリザの絵を書けと、当時のパトロンに求められているようなものではないかとおもう。つまり、無理難題ではないだろうか?
(問題点)
とにかく、顧客の期待水準と顧問料でできるサービスの水準に、顧客の期待を裏切るGapが生じていたことになる。 このGapを埋めなければこの顧客は、早晩、契約解除を通告してくるだろう。
Feeの値上げができないという現状(お客は不満でクレームをつけている現状では値上げを言い出すのは困難)をしないという前提では、お客様の期待を実際に提供できるレベルにまで引き下げる努力を私のほうでしなければならないことになる。
それも、その引き下げが、私の能力不足ではなく、お客に過大な期待水準でよることの理解を得なければならない。
しかし、アドバイスの具体的な期待水準をどうやって決定し、それを納得していただくか、答えを持っているわけではない。
2008年2月4日月曜日
消費税の還付請求 未遂事件
この時期、すなわち、確定申告のことが気にかかってくる時期になると、脱税の事件が新聞紙上をにぎわし始めます。
たぶん、課税庁から、新聞各社にニュースの素材と掲載圧力がかかるのだと思います。課税庁は、読者に、「脱税は割りが合わない行為」であるというメーセッージを新聞社の社説という形に変えて、伝えるわけです。
さて、IT ベンチャー企業が、親族会社から、ソフトウエアを2000億円で仕入れたと主張して、その仕入れにかかった消費税の還付を求めたところ、税務署から拒否されたという新聞記事を読みました。
ITベンチャー企業は、この取引にかかる対価を支払っていないのでしょう。対価を支払っていなくても、仕入税額控除が取れるかという問題があります。
通達は、課税仕入れの時期を資産の譲り受けの日とすることを定めています。(消費税基本通達11-3-1)したがって、仕入対価を支払わなくても、資産の譲り受けが行われていれば仕入税額控除を受けることができます。
一方で、売り方は、消費税の納税額がこの取引に巨額なものになりますが、滞納していたようです。売り方と買い方の納税債権債務の履行を、「一方の履行を条件とする」といった規定はありません。
したがって、取引が真実に行われた場合には、一方で、滞納、他方で還付という現象が生じてしまいます。これを連帯納税義務を課すような形での解決も立法論としてはあるのでしょうね。
たぶん、課税庁から、新聞各社にニュースの素材と掲載圧力がかかるのだと思います。課税庁は、読者に、「脱税は割りが合わない行為」であるというメーセッージを新聞社の社説という形に変えて、伝えるわけです。
さて、IT ベンチャー企業が、親族会社から、ソフトウエアを2000億円で仕入れたと主張して、その仕入れにかかった消費税の還付を求めたところ、税務署から拒否されたという新聞記事を読みました。
ITベンチャー企業は、この取引にかかる対価を支払っていないのでしょう。対価を支払っていなくても、仕入税額控除が取れるかという問題があります。
通達は、課税仕入れの時期を資産の譲り受けの日とすることを定めています。(消費税基本通達11-3-1)したがって、仕入対価を支払わなくても、資産の譲り受けが行われていれば仕入税額控除を受けることができます。
一方で、売り方は、消費税の納税額がこの取引に巨額なものになりますが、滞納していたようです。売り方と買い方の納税債権債務の履行を、「一方の履行を条件とする」といった規定はありません。
したがって、取引が真実に行われた場合には、一方で、滞納、他方で還付という現象が生じてしまいます。これを連帯納税義務を課すような形での解決も立法論としてはあるのでしょうね。
2008年1月29日火曜日
リース取引の消費税処理
あるお客様が、1月にリース料の総額が300万円を超えるリース契約を締結された。
当初、会社は、リース料の支払いを賃料として経理処理していたが、私のほうで、資産の売買として処理することをお伝えした。
そこで悩んだのが、支払金額から、①リース資産本体の価額、②利子の金額、③ 消費税の金額に区分することだ。
なぜなら、利子の金額を切り出すことで、次のメリットがあるからだ。
1.利子に関しては、消費税法上、非課税区分であるから、区分経理することにより、会社が負担することになる仮払い消費税は、少なくすることができるという意味で、借り手にとってメリットがある。
2.利子の支払額は、リース期間の前半において大きな金額となり、その分、節税になる
お客様から、リース取引の明細を取り寄せたところ、リース会社側は、①リース資産本体と②利子の金額を区分表示していなかった。したがって、消費税も、本体価格と利子を合計した価額に対して5%相当額が計算されていた。
リース会社は、手間暇がかかるかもしれないし、また、採用している利子率を借り手に開示したくないという気持ちも働いているのであろう。
私は、やむなく、①②の合計額を持って、そのリース資産の取得価額として、減価償却資産を計上し、その取得価額の5%相当額をリース契約時の「仮払い消費税」として経理することとした。
当初、会社は、リース料の支払いを賃料として経理処理していたが、私のほうで、資産の売買として処理することをお伝えした。
そこで悩んだのが、支払金額から、①リース資産本体の価額、②利子の金額、③ 消費税の金額に区分することだ。
なぜなら、利子の金額を切り出すことで、次のメリットがあるからだ。
1.利子に関しては、消費税法上、非課税区分であるから、区分経理することにより、会社が負担することになる仮払い消費税は、少なくすることができるという意味で、借り手にとってメリットがある。
2.利子の支払額は、リース期間の前半において大きな金額となり、その分、節税になる
お客様から、リース取引の明細を取り寄せたところ、リース会社側は、①リース資産本体と②利子の金額を区分表示していなかった。したがって、消費税も、本体価格と利子を合計した価額に対して5%相当額が計算されていた。
リース会社は、手間暇がかかるかもしれないし、また、採用している利子率を借り手に開示したくないという気持ちも働いているのであろう。
私は、やむなく、①②の合計額を持って、そのリース資産の取得価額として、減価償却資産を計上し、その取得価額の5%相当額をリース契約時の「仮払い消費税」として経理することとした。
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