2009年10月10日土曜日

ポールクルーグマン教授の経済入門

この本が初めてアメリカで出版されたのが1994年のことだから、15年前のことである。
経済学のような社会科学系の本は、執筆当時の経済とか世の中の問題に対して解決策を提案することが、執筆の大きな理由だ。

15年後の今、この本を読み終わって、1994年当時と今との社会の状況がほとんど変わっていないのに驚いた。だから、教授の主張が現在の状況を前提にして読んでいる今の私にもビンビンに響いてくる。

私がよんだ文庫本(ちくま学芸文庫)では、おまけとして、「日本がハマった罠」という一章がある。そこでは、大学時代に習ったが、卒業後は、大学時代のマドンナと同じようにすっかり記憶から消されてしまった、IS-LM曲線を使って、日本が(通貨供給量が)流動性の罠にはまってしまっている、だから、この罠から救い出すために、金融当局は、目標インフレ率を示してインフレ誘導策を提案している。

ところで、今年になって、エコポイントとか、エコカー減税、あるいは休日1000円高速料金制度を導入したけど、これって、一種のインフレ誘導策じゃないかな。

つまり、スーパーの閉店セールと同じで、期間限定で、安く買える。期間を過ぎると高くなる(つまり、インフレになる)。だから、お金の価値が高いうちに消費しておこうという消費刺激になるよね。 今の不況は、消費不況(需要不足)が原因だから、インフレ導入政策って、そんなにおかしくないよね。

この本は、算数をほとんど使わずに経済を説明してくれている。皆さんにお勧めしたい本ですが、どう思う?

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