この再生計画には大きな欠陥があったと言わざるを得ない。なぜなら、1)再生計画のための財務洗い出し作業(財務DD)の際に、1500万円ほどの公租公課の未払い債務を把握しなかったこと(簿外債務状態)2)再生に必要な運転資金を考慮せずに、再生計画を組んでしまったからである。
必要な運転資金は、次の式で求められるが、この会社は約3000万円と見積もられた。
運転資金=売掛金+在庫ー買掛金
したがって、この二つの原因として、必要なキャッシュ見積もりが、上記1)2)を原因として、約5000万円過少になったまま、再生計画が作成されてしまっていた。その再生計画では、債権の切り捨ては一切ない。
その後、再生計画の実行がむりであることは、計画の実施後数か月で明らかとなり、会社は、再生計画の見直し、新規融資またはリスケを求め続けた。その結果、再度3か月の元本返済猶予をしていただいた。合計で半年のリスケにとどまった、これ以上の見直しは、ダメと門戸を閉ざされてしまった。
会社は、再生協議会の再生計画を捨てて、民事再生法といった法的枠組みによる再生を求めて、ある弁護士事務所に相談に伺ったところ、第二会社方式を提案されている。
これからどうなるか?
次の一手は、取締役会を開いて、私などの外部専門家を招いて、意思決定を行うことになる。
私も、自分の勉強のためにも、また、会社のためにも、これから、経営陣とともに汗を流していこうと思う。
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