2009年10月13日火曜日

中古資産の償却期間は、3通り

減価償却費の損金算入の条件は、1)帳簿上、費用として経理すること、2)損金算入限度額を超えてはならないことの2点である。したがって、会計原則の要請をちょっとわきに置いておくとして、「ある年度の損金計上額をいくらにするか?」は、その償却費を控除した結果としての納税コスト、決算書に対する銀行の反応を予想しながら、鉛筆をなめなめして決めることが行われてきた。

今日は、中古資産の耐用年数について考えてみたい。損金算入額の計算には、資産の取得価額、耐用年数が必要だが、中古資産の耐用年数には3つの決定方法がある。1)納税者が適正に(つまり、自分の胸に手をおいて(あくまでも自分の胸ね。隣の女の子の胸じゃないよ!)良心にやましくない限度で)見積もった年数、2)通達が定めた簡便法、3)新品に適用される法定耐用年数。

2)の簡便法とは、原則として、(法定耐用年数ー経過年数)+(経過年数×20/100)で求めた年数である。

では、これらの3つの方法のうち、誰が、いつ、何をチョイスすることができるかが問題になるよね。それは、納税者が、その中古資産を事業の用に供した年度において(のみ)、この3つの中から選択することができる。つまり、納税者がオプションを持っているわけ

選択しなかった場合には、新品に適用される耐用年数が適用されるが、この点について、課税当局との間で争われた事件があった。事件の概要は、1)個人事業者は、法定耐用年数を超えて経過年数がたっていた車両をY0年に購入。2)当該個人は、Y3年度に事業開始し、この車を事業の用に供した。3)この車両に耐用年数見積もりの簡便法を適用していたら、Y2年度で償却終了しているはずだった。つまり、Y3年度には償却可能期間が徒過していたわけ。 このような事実関係のもとに、Y3年度に償却できるかどうかが争われた。つまり、課税庁は、耐用年数選択のオプションを行使しなかった場合、2)の簡便法が強制適用になると主張したわけ。

この事件は裁判所の手前の手続きである国税不服審判所で解決した。審判所は、選択権を行使しなかった場合には、新品の耐用年数が適用されると判断したわけ。(納税者の勝ち)

これは、条文や通達の日本語解釈としてもその通りだと思う。

納税者の立場としては、鉛筆のなめなめ範囲を大きくするために、取得した年度に簡便法を選択しておくことがいいんだろうね。そうすると、年度ごとの損金算入額が最も大きく出るから。

人気ブログランキングへ

0 件のコメント: